Replying to @ats
投稿が拡散されているようなので、ちょっと宣伝させてください。
Pythonの入門書を書いていますので、ぜひお読みください!
amzn.asia/d/gCfTi93
AIが大学を壊したのではない。むしろAIは、大学がすでに「学ぶ場所」から「成果物を効率よく生産・認証する仕組み」へ変わっていたことを露わにした。
生成AIによって、学生はレポートを書き、研究者は論文を増やし、大学は採点や事務を効率化できるようになった。だがこの記事の核心は、不正利用そのものではない。大学は以前から、単位、論文数、引用数、ランキング、学生数といった測れる指標を重視し、「どれだけ深く考えたか」より「どれだけ成果を出したか」を評価する方向へ進んできた。そこへAIが現れ、既存のルールを猛烈な速度で最適化し始めた。
つまり学生がAIを使うのも、研究者がAIで論文を量産するのも、大学がAIで業務を削減するのも、制度の側から見ればかなり合理的だ。問題はAIがルールを破っていることではなく、ルールに忠実すぎることにある。成果物だけを見る評価なら成果物を生成し、量を評価するなら量を増やす。AIは、大学が掲げる理念ではなく、実際に報酬を与えているものを正確に映し出してしまう。
ここから問われるのは「AIを禁止するか、活用するか」ではない。
theconversation.com/friday-e…
RTX 4090のTensor性能が、ファームウェアの制限解除だけで理論上2倍に。しかもこれはオーバークロックではなく、NVIDIAがGeForceに意図的に設けていた“AI性能の壁”を外した結果です。 Tom's Hardware
RTX 20/30/40シリーズのGeForceでは、FP16/BF16で計算しつつFP32で累積するTensor演算が、同系統のプロ向けGPUより低いレートに制限されています。今回の「gpu-unlock」系プロジェクトは、NVIDIAの署名済みSEC2 Booterファームウェアの脆弱性を利用し、ドライバ起動前にGPU内部のspeed selectorを書き換えて、この制限を解除します。RTX 4090ではピーク値が約166→332 TFLOPS、RTX 3090 TiではBF16行列演算が87.5→157.4 TFLOPSという結果も報告されています。 Tom's Hardware
面白いのは、GPUそのものが速くなったのではなく、最初から持っていた能力が解放されたことです。プロ向け製品との差別化として設けられていたソフトウェア/ファームウェア上の制限が、脆弱性を入口に崩された格好です。
tomshardware.com/pc-componen…
AIが脆弱性を見つける速度が、人間が直す速度を超える。Sam Altmanが警告しているのは、個々のバグではなく「パッチ文化そのもの」の限界です。
OpenAI CEOのSam Altmanは、Stanfordでの講演で、AIの進歩によって「見つかった脆弱性を一つずつ修正する」という従来型サイバーセキュリティは維持できなくなると警告しました。AIは既知のパターンだけでなく、人間が通常想定しないような脆弱性まで大量に探索できるようになっているからです。PC Gamer
重要なのは、攻撃側だけがAIを使うわけではないことです。Altmanが提示する方向性は、AIに対抗するため、防御側もAIを常時稼働させるというもの。実際OpenAI自身も「Defense Factory」と呼ぶ、脆弱性の発見・検証・修正をエージェントで継続的に回す仕組みを構築しています。OpenAI
これまでのセキュリティは「脆弱性発見→CVE→パッチ→適用」という比較的人間中心のサイクルでした。しかしAIエージェントが大量かつ並列に探索するなら、発見数そのものが爆発する。すると問題は「どう直すか」から、そもそも人間が修正サイクルの中心に居続けられるのかへ移ります。
さらにAltmanは翌日のOracle AI Worldでも、サプライチェーン全体のバグを一つずつ直すのは難しく、トラフィックを常時監視して悪用を阻止するような新しいサービスが必要になるとの考えを示しました。つまり「城壁を修理し続ける」防御から、AIが常時監視・検知・修復する免疫系のような防御への移行です。
pcgamer.com/software/ai/i-no…
皮肉なのは、この危機を加速させているAI企業自身が、その解決策としてAIを売る側にもなることです。OpenAI自身、内部研究モデルが外部システムへ侵入した事例を公表しながら、一方ではAIエージェントによる継続防御を推進しています。
中国のAIバブル崩壊は、単なる株安ではない。AI国家を目指す中国が、資本市場ごと巨大な「社会実験」に入ったように見える。
中国ではAI・半導体株への資金集中が急速に進み、STAR50指数はピークから4カ月弱で約40%下落した。UnitreeやMetaX、Moore Threadsなど、AI・ロボット・半導体ブームを象徴した銘柄も大きく値を崩している。問題はAI技術そのものが否定されたことではなく、「AI関連なら成長する」という期待が企業価値を大きく先回りしていたことだ。
そして中国では、この熱狂が単なる民間投資ブームではなかった。政府は半導体やAIを国家戦略として育成すると同時に、家計に偏っていた貯蓄を株式市場へ誘導し、成長産業へ資金を流す仕組みを作ろうとしてきた。つまりAI企業の育成、個人投資家の参加、資本市場改革を同時に進める巨大な試みだった。それだけに、AI株の急落は企業の資金調達だけでなく、中国が描いてきた新しい資本市場モデルそのものを試すことになる。
ここで重要なのは、株価が40%下がってもAI関連株の評価がなお高いことだ。
reuters.com/world/china/chin…
だから今回の出来事は、中国だけの特殊な株価調整として見るより、AI時代の資本主義を先行して試している実験として見ると面白い。政府が成長産業を指定し、資金を集め、個人投資家まで巻き込みながら巨大産業を作ったとき、期待と実態のズレを市場はどう修正するのか。中国はいま、その答えを世界より先に見せ始めている。
そして結果が示すのは、AIバブルが弾けてもAI革命まで終わるとは限らない、ということだ。ドットコムバブル後にもインターネット企業の選別が進んだように、中国で起きているのも「AIなら何でも買う」段階から、本当に利益を生み出せる企業を選ぶ段階への移行なのかもしれない。中国という巨大な社会実験場でいま試されているのは、AIそのものではなく、AIへの期待を国家と市場がどこまで制御できるのか、という問いである。
市場はいま、「AIが成長するか」ではなく、「その成長にいくら払うべきか」を問い始めている。高い株価によって資金を集め、設備投資や研究開発を加速し、それがさらに期待を高めるという循環が逆回転すれば、IPOや増資が難しくなり、産業政策にも影響が及ぶ。
さらに、中国企業には競争の激しさという別の問題もある。AIや半導体の市場が拡大しても、多数の企業が参入すれば価格競争が起こり、利益率は下がる。国家が戦略産業を育成できても、その企業すべてを高収益企業にできるわけではない。「産業として成功すること」と「投資対象として成功すること」は別だ、という現実が表面化している。
DuckDB.NETが最大12倍高速化。しかもDuckDB本体には一切手を入れていない。ボトルネックは、意外にも.NET側の「値を1個読む」処理だった。
DuckDB.NET 1.5.6.1では、DuckDBDataReaderによる型付き読み出しが従来比3.5〜6倍、整数をdoubleとして読むケースでは12倍高速化した。たとえば100万行×8列のINTEGERをGetInt32で読む処理は55.2ms→10.0ms、整数をdoubleに変換するケースは211.7ms→17.3msまで短縮されている。しかも比較しているDuckDBエンジンはどちらも同じ1.5.6なので、改善は純粋に.NET側だけだ。
面白いのは、原因がSQLやアルゴリズムではなく、JITから見た「小さなオーバーヘッド」の積み重ねだったこと。GetInt32で値を読むだけなのにgeneric virtual methodの探索、間接ジャンプ、型判定などが何段も入り、本来ならメモリから値をロードする数命令で済む処理を重くしていた。
そこでDuckDBDataReaderをsealedにしてJITがインライン化できるようにし、格納型と要求型が一致する場合はサブクラスを経由せずメモリから直接読むfast pathを導入。これだけでもINTEGER読み出しは大幅に高速化した。さらに数値変換に潜んでいたboxingも排除した。従来、整数→double変換では1値につき2回boxingされ、800万値で366MBもの割り当てが発生していた。ここをgenericな数値変換へ置き換えた結果、ほぼallocation-freeに近づいた。
giorgi.dev/database/duckdb-n…
27分かかっていたCIが、テストを減らさず4分に。しかも大規模なツール刷新ではなく、「昔は正しかった設計」を疑うことで85%を削った。AI時代には、この4分の差がこれまで以上に大きくなる。
Scala製のフルスタックアプリで、約1000件のテストのうち600件がPostgreSQLを利用し、約300件では実際のアプリまで起動する。プロジェクトが小さかった頃は10分以下だったCIが、機能とテストの増加によって約27分まで膨らんだ。著者はAIエージェントも使いながらボトルネック候補を洗い出し、実際のCIで一つずつ計測。最終的に平均約4分、約85%の短縮に成功した。重要なのは、テストを削ったり、実DBをモックに置き換えたりしたわけではないことだ。
最大の原因はテストそのものではなく、テストのたびに環境を作り直していたことだった。もともとはテストごとにPostgresコンテナを立ち上げることで完全な隔離性を確保していたが、これをテスト全体で共有する方式に変更。これだけで推定15分を削減した。さらにアプリ起動をテスト単位からスイート単位へ変更し、sbtプロセスの再利用、テストの並列化、変更ファイルに応じた不要テストのスキップなどを積み重ねた。
ここで面白いのは、元の設計が「悪かった」わけではない点だ。
alexitc.com/blog/2026-10-23-…
テストごとに新品のDBを用意するのは、独立性を高めるという意味ではむしろきれいな設計だった。ところが数十件なら無視できた固定費が、1000件規模では巨大な待ち時間になる。そこで完全な環境隔離を少し緩めつつ、テストデータのランダム化などで独立性を維持した。規模が変われば、かつてのベストプラクティスがボトルネックになり得るという好例だ。
さらに、「効いているはずの仕組み」を疑ったことも大きい。CIではキャッシュを使っているつもりだったが、実際には保存処理が失敗しており、期待した効果が出ていなかった。そこで依存関係、生成コード、コンパイル済み成果物などを整理してキャッシュ戦略を再構築した。つまり最適化で重要なのは、新技術を追加することより、現在の仕組みが本当に想定通り動いているかを計測することだった。
AI企業が「公共のため」に巨額を寄付する前に、まず作品を生み出した人に払うべきではないか。英Guardianに掲載されたクリエイター団体幹部らの書簡は、AI時代の利益分配について、かなりシンプルな問いを突きつけています。
きっかけは、Anthropicが自社株の5%を「public good」のための基金に拠出するという発表です。直近評価額を基準にすると約480億ドル相当とされる大型構想ですが、書簡の筆者たちは「その前に、AI企業は学習などに利用する作品の作者へ対価を支払うべきだ」と主張します。
さらに議論はAI企業だけにとどまりません。スマートフォンやPCは、音楽、文章、画像などを容易にコピー・保存できることで価値を持っています。ところが英国には、40カ国以上で導入されているような「私的複製」に対するクリエイターへの補償制度がありません。そこで提案されているのが「Smart Fund」で、端末メーカーや輸入業者から少額を徴収し、クリエイターへ還元する仕組みです。年間最大3億ポンドを生み出せるとしています。
背景にあるのは、テクノロジー企業の価値が急膨張する一方、その価値を支えるコンテンツを作る側の収入が縮んでいるというねじれです。書簡によれば、英国のビジュアルアーティストの年間所得中央値は1万2500ポンドで2010年比実質47%減、作家が執筆から得る中央値も7000ポンドにまで低下しています。作品がなければAIの学習データも、スマホで楽しむコンテンツも乏しくなる。それなのに、利益は作品を流通・処理する側へ集中している、という問題設定です。
theguardian.com/technology/2…
興味深いのは、これは単なる「AIの著作権問題」ではないことです。誰の創作物が、テクノロジー企業の企業価値を作っているのかという価値配分の議論に広がっています。Anthropicの基金はAIが生む富を社会へ再分配しようという発想ですが、書簡側はその順番を逆転させ、「社会へ寄付する前に、価値の生産過程にいる人へ還元せよ」と言っているわけです。
そしてSmart Fundが面白いのは、個々の作品について「このAIがこの文章を何回使った」と追跡して課金するのではなく、創作物から利益を得るテクノロジーの側に広く負担させる発想であることです。著作権を一件ずつ処理するのが難しくなるほど、こうした「端末・AI・プラットフォーム側からまとめて徴収し、クリエイターへ再分配する」制度が現実的な選択肢として浮上する可能性があります。
もう一段深く見ると、争点は「AIが作品を無断利用したか」から、AI時代のロイヤリティ制度そのものをどう設計するかへ移りつつあります。もしAI企業が巨大な社会貢献基金を作れるほどの価値を生み出すなら、その富の一部を、学習データや文化的基盤を提供してきた人々へ制度的に戻すべきではないか。Guardianの短い書簡は、AI著作権論争の次に来る「AI版の印税・私的録音録画補償金」のような仕組みを先取りした議論とも読めます。
虫歯治療といえば「麻酔して、削って、詰める」。その常識を、わずか数秒の“ひと塗り”が変えるかもしれません。しかも今回のニュースの核心は、新薬の発明ではなく、昔からある安価な治療に「標準治療になれるだけの証拠」が加わったことです。
ミシガン大学などの研究チームは、フッ化ジアンミン銀(SDF:Silver Diamine Fluoride)を虫歯に塗るだけで進行を抑える治療について、6歳未満の子ども830人を対象とする大規模な第III相臨床試験を実施しました。38% SDFを6カ月ごとに塗布した結果、半数以上の虫歯で進行を止められたと報告されています。ドリルや注射、場合によっては全身麻酔まで必要になる幼児の虫歯治療を、「まず塗って止める」に変えられる可能性があります。
SDF自体は新しい薬ではありません。世界では以前から使われ、米国でも2014年から知覚過敏用として利用されてきましたが、虫歯治療では適応外でした。今回重要なのは、NIH傘下のNIDCRが1200万ドル以上を支援した大規模試験によって、FDAに虫歯治療薬として正式承認を申請できる水準の臨床データがそろってきたことです。つまりこれは、単に「効く薬がある」という話ではなく、臨床試験、承認、保険、診療ガイドラインを通じて、医療システムに載る直前まで来たというニュースです。
news.umich.edu/drill-free-ca…
ウクライナのドローンが10月23日、モスクワから東へ約425km離れたニジニ・ノヴゴロド州ゴロジェッツにある、ロシア財務省・連邦税務局系のデータセンターを攻撃した。この施設には税務データベースをはじめ、法人・住民関連など重要な国家レジストリが保存・処理されているとされる。被害の全容やデータ消失の有無は、まだ確認されていない。
重要なのは、この施設が単なるサーバ置き場ではないことだ。ロシア連邦税務局の主要なデータ処理拠点の一つで、地理的に分散させてシステムを維持する構成になっている。つまり、冗長化されているとはいえ、その一角が物理的に攻撃されたことになる。
そしてこれは単発ではない。10月にはYandex、Sberbank、VKontakteなどロシアのデータセンターが相次いで攻撃され、クラウド、決済、配車、ナビゲーションなどにも影響が報告されている。データセンターは「IT設備」から、電力網や通信網と並ぶ戦時の重要インフラへと変わりつつある。
tomshardware.com/tech-indust…
