猫のアリスが窓の外を見つめている。どうした?と訊くと、ふゆのまえぶれがひっそりとやってきた、と言う。窓を開ける。空の上の方からひんやりとしたふゆのまえぶれがひそやかに舞い落ちる。まるで枯葉が降り積もるみたいに。アリス言う。聴こえる。なにが?季節の舞い落ちる音があちこちでしている。
猫のアリスが今日はいっぱいたべたと言う。それはよかった、と言うと、あとはよくねる、と言うので、おやすみ、と言い、鰯の丸干しを焼き始めるとアリス言う。なんかおなかすいてきた!いっぱいたべてねるんじゃないのか?間違いだった!いやでもさ。健ちゃんは間違えないのか?はい!仰るとおりです!
蕎麦鍋。フォローしている方にお蕎麦の鍋を勧めている方がいてとても美味しそうだったので作ってみた。具材は鶏肉(アリスの晩飯から頂戴した)と葱と春菊と油揚げ。蕎麦は安い奴で、七味、柚子胡椒で頂く。うどんよりも上品な感じでとても美味しい。アリスは見向きもせず鶏にくいついている。
猫のアリスが今日はどこ行ったと訊く。海の近くの山に昇ったら海に呼ばれた、と言うと、会いに行ったか?と訊くので、勿論!と答える。海に呼ばれる。山を降りてもなかなか姿を見せない。だけど突然、世界が《目の前》に拡がるみたいに海は現れる。アリス訊く。どうだった?すごくよかったよ、アリス!
猫のアリスが眠っている。起こさないようにそっとリュックを置いて隣にねころがる。開け放した窓からここちのよい風がやってきてレースのカーテンがふうわりと膨らむ。久しぶりだな、乾いた風。こんなにも気持ちいいものなんだな。甘い香りも一緒にやってくる。こんにちは十月。宝石の様に美しい季節。
北鎌倉は晴れ時々曇り。ようやく秋らしい爽やかな日和となった。午前中、所用があり鎌倉へ。用が済んだ後、何処かでお昼を食べようと見回すも観光客が多い。ならばと海の方へ歩き材木座をへて小坪へ。(写真は小坪の手前の飯島から見た鎌倉の海。江ノ島の右手にかすかに富士山が見える)
猫のアリスをリュックの上に乗せ山径を歩く。やっと晴れたな、と言うので、そうだな、と頷き、谷戸の奥へと歩を進める。ミゾソバとツリフネソウが咲きはじめ、いつのまにか秋だ、と言うと、いろんなものに気づくのにいつもちょと遅れる、と言う。そうかもしれない。待っているのにいつもすこし遅れる。















