
ALT ミクトランから帰還したミラを迎えた黒スライム娘は、いつになく機嫌がよかった。 「ミラ、おかえりなさい。無事に戻ってきてくれて嬉しいわ」 そう言いながら、彼女は大きなテーブルの上に次々と料理を並べていく。タコスにタマレス、焼きトウモロコシに煮込み料理。色鮮やかな祭りの料理が、あっという間にテーブルを埋め尽くした。 「わあっ! すごい! こんなにたくさん集めてきてくれたの?」 「ええ。久しぶりの食事でしょう? 好きなだけ食べてちょうだい」 ミラの顔がぱっと明るくなる。その視線は、やがてテーブルの端に置かれた巨大なモンスターの丸焼きへと移った。 「……これも食べられるの?」 「もちろん。なかなか立派な獲物だったわ」 黒スライム娘は満足そうに頷くと、今度は懐から大きな鉱石の塊を取り出し、ミラへ差し出した。 「それから、あなたにはこれも。艶があって、なかなか美味しそうでしょう?」 「……えっ?」 ミラの笑顔が固まった。 「待って。今、鉱石って言った?」 「ええ。私にとっては立派な食料よ?」 「いや、私にとっては食料じゃないんだけど!?」 黒スライム娘は不思議そうに首を傾げると、差し出していた鉱石を自分の口元へ運び、そのまま大きく口を開けて、塊をつるりと丸呑みにした。 「……えっ?」 「うん。悪くないわね」 「本当に食べてるーっ!?」 ミラの叫びに、黒スライム娘はくすくすと笑った。 「ふふっ。冗談よ。あなたの分はちゃんと普通の料理も用意してあるわ」 「鉱石を差し出してきた時点で、もう冗談に見えなかったよ……!」 それでも、目の前に並ぶ料理と、帰還を喜んでくれる彼女の笑顔は嬉しかった。 ミラは苦笑しながら椅子に座る。 「ありがとう。それじゃあ、いただきます!」 「ええ。たくさん召し上がれ、ミラ」 祭りの賑わいの中、二人の食卓には、今日も少しばかり人間離れした笑い声が響いていた。
















































