私は普段、いわゆる「霊感」など持ち合わせていないし、スピリチュアルな世界に興味や嗜好があるわけでも全くない。どちらかといえば、そういった不確かな話とは無縁の現実的な感覚で生きている人間だ。
しかし、かつて普段の生活の中で通っていた高尾山の一角にある「湿地」だけは違った。
以前から、その場所の横を通るたび、胸の奥を圧迫するような不思議な感覚を覚えていた。 単なる恐怖ではない。人間の都合など一切寄せ付けない、恐ろしいほど厳格で威厳に満ちた自然の気配。スピリチュアルに興味のない私でさえ、「ここには水にまつわる何かしらの存在がいる」と肌で感じざるを得なかったのだ。
だがそこにあったのは・・・